学生心理学勉強会を立ち上げた理由

こんにちは。学生心理学勉強会・代表のオギノです。
皆さんに、学生心理学勉強会を立ち上げた理由のいくつかをお伝えさせてください。

目次

① 正確な心理学・精神医学を学べる場をつくりたい

世の中には、たくさんの「心理学」が存在します。
本屋さんに行けば、読むのが楽しそうな「心理学」の本がたくさん。
私もかつては、心が楽になる方法を求めて、そのような本を購入していました。

心理学というのは、何が間違いで、何が正解というのはないのでは…と感じています。

一方で、「臨床心理士」「公認心理師」といった歴史があり、国に認められた資格や、国家資格は、
『自分の興味のある心理学だけを学べばいい』
…というものではなく、医療、福祉、産業、教育、司法など、さまざまな場面で、どのような方に対しても、専門的な心理支援を行えるように、幅広く、深い学びが必須となります。

資格取得には、大学・大学院(合計6年間)の学びが必須ですが、それでも短いくらいです。

学びの過程は決して楽なものではありませんが、私はどうしても「正確な心理学」の知識を身につけたいと思いました。

本当に心が疲れた人、精神疾患の方々には、やはり専門家の専門的知識が必要となります。
精神疾患の患者数、自殺率もトップクラスの日本、学ぶならば正式なルートで、正式な心理学を学ばなければ、危険だとも思いました。

しかし、心理学・精神医学の研修会や勉強会は、最低でも大学院生からであったり、高額であったりします。それならば、学部生から、学生でも支払える額で、しっかりと学びを深められる場を作ろうと思いました。

② 一緒に学ぶ仲間を作りたい

心理学に限らず、何かを学ぶときに「ああでもない」「こうでもない」と、一緒に悩んだり、一緒に調べたり、一緒に励まし合える仲間の存在は大切なものです。

特に、私の在籍した大学(心理学部)は、試験が難しく、卒業率もとても低い厳しい大学でした。

そんななか、一緒に切磋琢磨した仲間たちの存在はとても大きなものでした。
なんでもない話をするだけでも、心が軽くなったりしました。

勉強会を通して仲間や友人を作り、心理職に就いてもそのつながりを大切にしていきたいです。

③ 自分と向き合い、自分を知る機会を持ちたい

皆さんは、いま、何かに悩んだりしていますか?
悩んでいなくても、過去に悩んだ経験のない人はいないのではないでしょうか。

心理学を学べば学ぶほど、私は「自分の未解決の問題」「弱さ」「特性」「忘れかけていた・忘れようとしていた記憶」「迷い」など、さまざまな思い出や感情、言葉にならない想いの波に飲み込まれていくようでした。

今まで「全て知っている」と思っていた自分は、実は「知らない自分」ばかりだったのです。

これらは、すでに臨床家として活躍されている心理職の先輩方の言葉だったり、当事者の方々と接した時の自分の抑えきれない感情から教わりました。

教科書や学校の授業では気づけないものでした。

このような「自分と向き合う」「自分を知る」作業は、心理士を目指す上で、とても大切なものだと思いました。

決して楽しい作業ではありませんが、毎週のように臨床心理士の先生のカウンセリングに通い、精神科医の先生の助言や教えに助けられながら、私は今、私自身と向き合う経験をしています。

④ 座学と、臨床経験を並行して学べる場をつくりたい

学生のうちは、まずは座学をしっかり学ばなければならないと思います。
根っこのない木はすぐに倒れてしまうように、基礎のない学びは、簡単に崩れてしまうからです。

ただ、教科書や学校の授業だけで得られる学びが限られているのも事実です。

「クライエントさんとの信頼関係のあり方」「心理検査の結果の読み方」「そもそも倫理とは?」

…例を挙げればきりがありませんが、『こればかりは、現役の臨床心理士・公認心理師・医師の先生方に聞かなければ分からない』ことが、学びの中で次々と出てきます。

それならば、現役の先生方にお願いして、学生に直接教えていただく場を作ろうと考えました。

「分からないものを、分からないままにしない」
私のお世話になった化学の先生の言葉です。

⑤ 臨床心理士・公認心理師というお仕事を、もっと知りたい

臨床心理士や公認心理師を目指す皆さんは、このお仕事がどのようなものか、どんなときに楽しくて、どんなときに苦しくて、何が失敗で、何を気をつければよくて、学生のうちにどんな準備をしておくべきか…、などを自分の言葉で伝えられますか?

私は(恥ずかしながら)学生心理学勉強会で、心理士(師)の先輩方のお話を聞いて、やっと、なんとなくですが、心理職というものを理解しつつあるように思います。

そして、自分が思っていた「臨床心理士・公認心理師」の憧れや理想像と、現実は違うものだということも、受け入れようとしている最中です…。

学生のうちに、知っておいて良かったと思います。
勉強会を通して、「こんな心理士(師)になりたい」という先輩方に出会えたのも感謝です。

⑥ 精神疾患や障害について正確な知識を持って、社会で活躍されますように

正確な心理学・心理学を学び続ければ、精神疾患や障害に対しての見方が変わってくると思います。

偏見や誤情報が無くなるとは約束できませんが、少なくとも正しい知識や学びを身につければ、現在の社会で、多くの方が持つ「精神疾患」「障害」への偏った考えが、誤ったものだと気づくのではないでしょうか。

心ある臨床心理士、公認心理師、医師の方々が増え、お互いの得意・不得意を補い合い、尊重しあい、理解しようとしあえば、少しずつでも社会は変わっていくと信じています

学生心理学勉強会に参加された方が、一人でも、何かに気づき、発見をし、温かい思いを持ち、将来に活かしていただければ嬉しく思います。

⑦ 一度立ち止まって、考える機会を作りたい

大学、大学院と、スムーズに進み、しっかり資格を取得し、
「さぁ、臨床心理士・公認心理師として働くぞ」と自信のある方を見ると、「うらやましいなぁ」と思ってしまいます。残念ながら、私にはその自信がありません。

「私は心理士(師)になって何をやりたいのか」
「どんな心理士(師)になりたいのか」
「今の私が、当事者の方々と向き合って、何ができるか」
「自分の精神状態はどのような状態か」
「自分の中で未解決の問題はないか(心理士(師)になる準備はできているか?」

などなど、考えれば考えるほど、悩み込んでしまうタイプです(笑)

前述した通り、心理士(師)は命を扱うお仕事です

勉強や資格取得も大切ですが、私は、心理士(師)として社会に出る前に、迷い、悩み、苦しみ、そして悩む時間を少し持ちたいなぁ、と思いました。

学生心理学勉強会では、さまざまな領域で、さまざまな活躍をされている先生方が、幅広い視点で問題提起をしてくれます。私たちと一緒に、悩んでみませんか?

今まで知らなかった自分に出会えるかもしれません。


      学生心理学勉強会 代表・オギノ

臨床心理士・公認心理師を目指し、心理学部のある大学に編入しました。
編入して1ヶ月で、一人での学びに限界を感じ、「学生心理学勉強会」を立ち上げました。
最初は、3名の参加者だけで始まった勉強会。

現役の臨床心理士・公認心理師・対人援助職の先生方に支えられ、
現在は多くの熱意ある学生や専門職の集まる勉強会となりました。

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